2011年2月15日火曜日

佑ちゃんデビュー戦で謎の“魔球”連発 直球かそれとも…

 日本ハムの沖縄・名護キャンプで、ドラフト1位の斎藤佑樹投手(22)がプロ入り後、初めて対外試合に登板した。「真っすぐを多めに投げたい」とテーマを掲げていたが、全14球はナゾめいた変化に満ちており、目撃者の証言も食い違うものばかり。単に調整遅れでボールに思わぬ回転がかかってしまうのか、それとも「魔球」で幻惑したのか。ハンカチ・ミステリー劇場の幕が上がった。

 斎藤は13日、名護市営球場で行われた韓国プロ野球・サムスンとの練習試合に、2番手として4回から登板。今キャンプ最高となる5200人の来場者から、大きな拍手と指笛が送られた。

 「特に緊張はしなかった」という斎藤は、まず2番・朴をフルカウントから空振り三振に仕留める。3番・ガーコもフルカウントから遊ゴロ、4番・崔は1ボールから二ゴロ。上位打線を見事に三者凡退に抑え、弾むようにマウンドを降りた。

 予定通りに1イニング限りで降板した後、斎藤は「結果的に1回を0点に抑えられてよかった。バックにプロの選手が守っていて、すごくうれしいし、不思議な感じがした。やっとプロに入った実感がわいてきた」と、初々しく初登板を振り返った。

 斎藤いわく、この日のベストピッチはガーコからファウルチップを奪った外角低めの直球。サムスン側が設置したスピードガンでは128キロの表示だったが、「低めに制球できた。打者に(バットの)芯でとらえられなかったのが一番です。そのボールがコースに行くようになったら、もしかしたら(プロで)やれるのかなと思います」と手応えを感じた様子だ。

 ガーコは米大リーグで通算55本塁打の強打者。「ルーキーの最初の投球で、これだけ集中して投げられるのはすごいと思うよ。うちの打者の全員が、いい投手と感じていたと思います。きっと成功していくと思う」とエールを送った。

 一方で、元中日投手でサムスンの投手コーチを務める落合英二氏は「まだボールは仕上がっていない。きょうは驚くようなボールは正直なかった」と評した。三振を喫した朴も「まだコンディションが上がっていない。ひとつひとつのボールは打ちにくくはない」と印象を語った。

 まだ調整の途上で、ほとんど変化球も投げず、最速が139キロ止まりでも、3者凡退に抑えられた理由は何なのか。

 斎藤は「きょうは真っすぐでいけそうならいくつもりだった。その通りにできたと思う」と話したが、いわゆる「きれいな直球」以外に、微妙な変化を見せたボールも散見された。事前に斎藤から「真っすぐを多め」と聞かされていた報道陣は、「きれいな直球」を想定していただけに、試合中は「ツーシームか? チェンジアップか?」と頭をひねることに。

 斎藤は球種に関して問われると、カーブ1球を除いて「全部真っすぐ」と語った後、「ツーシームも何球か投げました」と明かした。ボールを受けた捕手の鶴岡も「ツーシームのサインを出した。3~4球くらいかな」と認めた。吉井投手コーチも「ツーシームを投げていた。打者が打ちづらそうにしていたのがよかった」とほめたが、サムスンの打者が打ちあぐねたのは、別の理由もあったようだ。

 2番・朴が三振を喫した沈む球について、サムスンの柳仲逸監督は「2ストライク以降、落ちる球で三振を取る能力が高い」とほめた。ところが斎藤本人によると、実は「ちょっと引っかかり気味になった」、投げ損ないの直球なのだという。

 芝草投手コーチも「直球が少し動いていたけど、意図してないと思うんだよね。初めての試合で力んで投げてるから、引っかかったり、抜けたり」と、意図せず変化してしまった直球について指摘した。

 梨田監督も「少しボールを動かしてるのか、揺れたのかハッキリしない。若干、変化させたのかな」と評価が難しそう。斎藤が意図して投げた直球とツーシーム以外に、妙な回転をしてサムスンの打者を翻弄した小さな変化球は、調整の遅れが招いた偶然の産物なのか。鶴岡の見解は「ノー」だ。「真っすぐが低めにいくと動く投げ方をしている。ウチにはいないタイプ。外国人は腕力で投げるから、そういう投手もいるけど、日本人ではそんなにいないのでは」と話す。斎藤の投げ方は評論家の間でも賛否が分かれているが、独特なフォームだからこそ生み出せた「魔球」だというのだ。

 斎藤は「結果を出すことが一番。どんな汚いフォームでも、それもひとつの個性」という信念を持っている。確かに、デビュー戦で3者凡退という結果には、文句の付けようがない。

 「技巧派にはなりたくない」という斎藤だが、低めの直球が日本人離れした変化を見せる異能派なのか。「ハンカチ魔球」を巡るミステリーの真相は、実戦を積み重ねるにつれ、明らかにされていくはずだ。

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 ◇巨人紅白戦 紅組5―0白組(2011年2月13日 宮崎サンマリン)

 転向後初登板とは思えない落ち着きぶりだった。巨人紅白戦。初回1死。紅組の野間口は3ボール1ストライクから111キロのカーブを沈め、見事な緩急で寺内のバットに空を切らせた。

 「変化球で一番自信がある球。自分の考えとボールが一致して良かった」。続く脇谷も連続三振。2回には2死一、二塁とされながら、工藤を中飛に打ち取った。昨オフにサイドスローに転向。今キャンプでチーム初の紅白戦で先発を任され、2回を2安打無失点、2奪三振と結果を残した。

 「今までやったことを出せたかなと思う」。昨年の秋季練習中に、原監督の助言を受けて横手投げに挑戦。オフには投げ込みとシャドーピッチングを繰り返し、体に投球フォームを染み込ませた。今キャンプ序盤には「ボールがシュート回転してしまう…」と悩んだが、現役時代に同じ投球フォームから通算180勝を挙げた斎藤投手コーチと二人三脚で修正。第2クール中のブルペンで上下のバランスを再確認し、紅白戦に臨んだ。

 今後の課題は走者を背負ったクイック時の球威と制球力だ。開幕ローテーション入りに関しては「全く気にしていない」と言うが、まずは好発進。横は見ずに前だけを向いて、一段ずつ階段を上っていく。

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