2011年4月28日木曜日

巨人・沢村、77年ぶり草薙に再臨…“栄治超え”プロ初2ケタKだ!

巨人・沢村、77年ぶり草薙に再臨…“栄治超え”プロ初2ケタKだ!
 巨人の沢村拓一投手(23)が25日、同じ姓を持つ伝説の大投手、故・沢村栄治氏のゆかりの静岡・草薙球場で調整を行い、28日に登板予定のヤクルト戦(静岡・草薙)に向けて集中力を高めた。栄治氏は1934年、のちに巨人の母体となる全日本のエースとして、同球場でベーブ・ルースら全米選抜を9奪三振でねじ伏せた。右腕は、偉大なるチームの大先輩の銅像とも対面。栄治氏の魂を継承し、持ち前のパワーピッチングで“伝説超え”となるプロ初2ケタ奪三振で2勝目を目指す。

 偉大な大先輩のゆかりの地に足を踏み入れた沢村は、気持ちを高ぶらせた。練習後には銅像と対面。笑顔で“ツーショット撮影”に応じた後、一転して表情を引き締めた。「試合でしっかり投げられるように頑張りたいです」。すぐに3日後の登板にスイッチを切り替えた。

 大投手の銅像の前に立つことも、静岡を訪れることも初めて。当初、開催予定だった神宮から球場が変更となり、巡ってきた登板。1934年、草薙球場のマウンドに立った沢村栄治氏が全米打線を9奪三振でねじ伏せた試合は伝説となった。「縁を感じる? 分からないですね」と言葉を選んだが、運命を感じないわけにはいかない。

 プロ初勝利も、栄治氏と結びついていた。21日の阪神戦(甲子園)で7回6安打1失点でプロ初白星を手にした。チームは3―1で勝利。登板翌日、右腕は「沢村栄治さんが最後に阪神に勝ったときのスコアが3―1だったんですよね」。1941年7月5日、西宮球場で行われた伝統の一戦と同じスコアで勝ったことを自ら知り、初勝利の喜びを膨らませた。2月1日、プロ入り後、初めてブルペン投球したのも、栄治氏の誕生日だった。

 ゆかりの地で負けるわけにはいかない。2勝目の鍵はパワーピッチングだ。沢村栄治氏は、ルー・ゲッリッグへの一発に泣いた。両翼91メートルの地方球場。川口投手総合コーチは「ウチに有利な球場。狭いけど、いい投手ほど集中力があるからね。先発は頑張ってくれるでしょう」と期待。沢村の持ち味でもある力でねじ伏せる投球が、一発を防ぐことにもなり、栄治氏が同球場でマークした9奪三振を上回る“栄治超え”の自身プロ初の2ケタ奪三振も見えてくる。

 プロ初完投への意欲も十分だ。15日に初登板した広島戦(マツダ)は7回途中降板、21日の阪神戦は8回表の攻撃で代打を送られた。試合中に川口コーチから言われた言葉が心に残っている。「マウンドを譲ることは勝ちを譲ること。本当に勝ちたいならマウンドを譲るな」。完投への思いを強くした。同球場で77年間、「巨人・沢村」は負け投手になったまま。完投で記念すべき勝利を飾るつもりだ。

 ◆全米1―0全日本(1934年11月20日・草薙) 伝説の本塁打王、ベーブ・ルースやルー・ゲーリッグらを擁する全米選抜と行った日米親善試合の第10戦。全日本に入るために京都商(現京都学園)を中退した17歳の沢村栄治が先発。それまで3試合で12本塁打、50得点をたたき出した強力打線を相手に、8回5安打1失点9奪三振の好投を見せ、伝説となった。この時の背番号は「8」だった。


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