2011年3月7日月曜日

『正義』の哲学者・サンデル氏が巨人開幕戦の始球式へ

 巨人が、25日の開幕戦(対横浜・東京D)始球式に、政治哲学者のマイケル・サンデル氏(58)を招へいすることが4日、分かった。米ハーバード大教授としてその講義が有名になり、日本でも出版されたベストセラー本「これからの『正義』の話をしよう」(早川書房)の著者。大の野球好きとしても知られ、巨人戦の始球式を務めたい、という本人の希望を巨人サイドがかなえた形。近日中にも正式発表される。

 東京Dのマウンドに、哲学者が上がることになった。白羽の矢が立ったのは、「正義の哲学」で知られる米ハーバード大のマイケル・サンデル教授だ。1988年の東京D開場以来、海外から招いての外国人による巨人開幕戦の始球式は初めてだという。08年には大相撲でモンゴル出身の横綱・白鵬が始球式を務めたが、関係者は「記録が残っている中でも(海外から招くのは)今までにない」と説明。後楽園球場時代も含め“球団史上初”となる大役だ。

 今回の始球式は、サンデル氏の熱望から始まった。哲学者としても当然、有名だが、同時に米大リーグ、レッドソックスの大ファンとしても知られる大の野球好き。以前から「始球式を務めたい。日本で、巨人軍の始球式を行うのが僕の夢」と語っていたほど、日本野球にも興味を示していた。

 渡米した読売関係者とサンデル氏が顔を合わせる機会があり、その中でも将来的に始球式を務めたい、という要望がサンデル氏から伝えられた。すぐに球団関係者の知るところとなり、夢が実現することになった。

 巨人ではこれまで、子どもたちの夢を応援するプロジェクト「キャッチ・ザ・ドリーム」と題した様々な企画を行ってきた。昨年は、球場にキャラクターが登場し、限定グッズなども販売された「ポケモン・デー」や「ワンピース・デー」も開催。一大企画として、全国の子どもたちがデザインした「夢のユニホーム」を募集し、そのデザインをもとに制作されたユニホームを7月19日からのヤクルト3連戦(東京D)で選手、監督が着用した。選手とファンの距離が縮まる企画で、多方面から大反響を呼んだ。

 今回も「いつかは巨人の始球式を」というサンデル氏の夢を、巨人がかなえた形。少年、少女だけでなく、夢を持った大人の野球ファンの思いにも応えたい、という巨人の理念とも合致した。

 サンデル氏の講義はアリストテレスら哲学者の思想と現代的問題との共通点を説明する手法の講義で有名で、昨年4月からNHKで放送され反響を呼んだ「ハーバード白熱教室」で日本でも有名になった。昨年8月に来日し、東大・安田講堂で「Justice(正義)」をテーマに特別講義を行った際も「イチローの年俸は米国のオバマ大統領の42倍。これは公正?」といった身近な問題で議論を盛り上げ、「哲学が扱う問題は、実はわれわれの日常生活にあるのです」と分かりやすい講義を展開。始球式当日も、分かりやすいストライク投球ができるかどうか。その一投の瞬間、東京Dが「白熱教室」に早変わりするに違いない。

 ◇マイケル・サンデル(Michael J. Sandel)
▼生まれ 1953年3月5日、ミネソタ州ミネアポリス生まれ。58歳。
▼経歴 ブランダイス大卒業後、オックスフォード大で博士号を取得。80年からハーバード大教授。
▼専門分野 政治哲学者で米国を代表するコミュニタリアニズム(共同体主義)の論者。学生との対話形式で進められる超人気講義「Justice(正義)」は、ハーバード大史上空前の履修者数を記録しつづける。
▼「ハーバード白熱教室」 アメリカのテレビ局WGBHが制作した番組で、サンデルの講義を収録したもの。ハーバード大の授業がメディアに公開されたのは初だった。日本でもNHK教育テレビで10年4月4日~6月20日に放送された。講義をもとに09年(日本では10年)に発売された著書「これからの『正義』の話をしよう」もベストセラーに。
▼日本 10年8月25日に、東大・安田講堂で第1回来日講義を実施。開始の約1時間半前から、建物の外に行列ができた。この模様も教育テレビで録画放送された。

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