鷹・王会長、万感「すごいチームだ！」

　（クライマックスシリーズ・パ　ファイナルＳ第３戦、ソフトバンク２ｘ－１西武＝延長十二回、ソフトバンク４勝、５日、ヤフードーム）次は日本一！！　ソフトバンク・王貞治球団会長（７１）が５日、８年ぶりの日本シリーズ進出を決めたナインに日本一指令を出した。監督時代を含め、６度クライマックスシリーズ（ＣＳ）の壁にはね返されてきたとあって、満面の笑み。王会長をアシストした孫正義オーナー（５４）も大喜びだった。

　８年ぶりの福岡での胴上げ。誰よりも感傷に浸ったのは一塁ベンチ前の王球団会長だ。監督時代からの悲願をつかんだ王会長が、スタッフ、選手一人一人と固い握手を交わした。

　「すごいチームだ、野球はすばらしい、本当に楽しい、とファンのみなさんに思ってもらえたと思う。監督時代はプレーオフにいい思い出がないから。突破できて本当によかった」

　２００３年の日本シリーズで阪神を倒し、宙に舞った。翌年からプレーオフが導入され、鷹にとって辛い年月が続いた。０４、０５年とリーグ１位通過を決めながら、短期決戦で敗れた。０６年は胃がんの治療のために休養。復帰した０７年もＣＳにはね返されて、０８年はリーグ最下位。壁を越えられないまま、０９年から秋山監督にバトンを託した。

　「何でも乗り越えていかないといけない」。不屈の信念で選手、スタッフとともに歩んだ。球団会長として内川、細川、カブレラと大補強。圧倒的な戦力でリーグ戦を独走Ｖすると、ＣＳは史上初の３連勝突破だ。スーツに身を包んで、後方支援に徹した。

　「互いに死力を尽くした悔いのない、素晴らしい３試合だった。西武の選手は悔しいと思う。でも、われわれも何度も悔しい思いをしたから。ソフトバンクとして初めての日本シリーズ。シリーズに出る以上は日本一にならないとね」

　負の歴史に終止符を打ち、次のステージへ。もちろん見つめるのは頂点だけだ。世界の本塁打王の野球人生はまだまだ続く。

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